【北海道・感染防止対策協力支援金の概要】北海道も16日から緊急事態宣言が発令されています!
先日5日のブログで、「北海道が5日にも「まん延防止措置適用」(以下「重点措置」)の
国への要請を発表」とお伝えしましたが、その後の感染急拡大と医療体制のひっ迫を受けて、
重点措置適用から数日で緊急事態宣言が発令されるという、異例の事態となりました。
それを受けて感染防止対策協力支援金(以下「支援金」)の内容も変更されましたので、
その概要をお伝えしていきたいと思います。
今回緊急事態宣言が発令されたのに伴い、具体的には主に以下の点が変更になりましたので、
そちらを念頭に入れてご覧頂ければと思います。
- 実施期間
- 対象地域
- 対象業種
- 支給金額
正式名称
今回の道内の支援金の正式名称は「令和3年度 感染防止対策協力支援金」です。
名称は従来の札幌市が行なっていた支援金と変わりません。
実施期間
今回の時短要請の実施期間は以下のとおりです。
・実施期間:令和3年5月16日(日曜)から5月31日(月曜)まで
緊急事態宣言が発令された16日から暫定解除予定期間である31日までですね。
なお札幌市をはじめ重点措置適用期間内の5月12日(水曜)から15日(土曜)までの実施期間は、
特措法の適用条項上の関係から別の支援金と位置付けられますので、
上記の緊急事態宣言期間とは別個の支援金となることに注意が必要です。
以下本ブログでは緊急事態宣言に伴う支援金について述べていきますが、
重点措置適用に伴う支援金につきましては、こちらの札幌市該当HPをご参照ください。
対象地域
次に対象地域についてですが、緊急事態宣言により道内全域が対象となりました。
その中でも感染防止が急務な地域として、札幌市含む石狩地方、小樽市、旭川市を
「特定措置区域」と指定し、特定措置区域かそれ以外の地域かによって、
要請内容や支給金額も異なるので注意が必要です。
本ブログでもその点を特定措置区域とそれ以外の地域に分けて解説していきます。
また5日のブログで、札幌市以外にも以下の自治体などで支援金を給付しているとお伝えしましたが、
実施期間が既に終了している支援金は従来どおりの内容で変更ないと思われますが、
実施期間が継続中の場合は今回の道内の緊急事態宣言発令を受けて、
既存の支援金の実施期間に変更がありますので注意が必要です。
実際に函館市の支援金でも実施期間が緊急事態宣言発令前の15日までと変更されています。
参考前に5日のブログでも掲載した各自治体の支援金HPを下記に記載しておきます。
・札幌市 : 札幌市経営持続化支援一時金 (4月1日~8月31日)※今回の支援金とは別制度
・函館市 : 函館市事業継続臨時支援金 (4月1日~6月30日)
・帯広市 : 帯広市飲食業経営継続支援金(4月1日~5月31日)
・釧路市 : 釧路市飲食店応援支援金 (4月1日~5月31日)
・苫小牧市: 苫小牧市事業継続支援事業(2月19日~5月31日)
・小樽市 : 小樽市事業継続支援金(3月5日~4月21日) ※すでに終了
・北広島市: 新型コロナウイルス感染症に係る感染症対策事業者支援金(3月19日~6月30日)
・当別町 : 中小企業コロナウイルス対策支援事業補助金(4月1日~12月31日)
・七飯町 : 七飯町事業継続給付金(4月5日~7月31日)
・古平町 : 古平町事業支援給付金(5月6日~1月31日)
・奈井江町: 奈井江町事業応援給付金(3月24日~7月31日)
・厚真町 : 新型コロナウイルス感染症経営持続化対策事業交付金(4月1日~12月30日)
・せたな町: せたな町産業等経営維持臨時特別給付金(4月1日~6月30日)
※北海道庁HP(令和3年5月4日時点)より引用
※( )内の日付は各支援金の申請期間です
※リンクをクリックすると各給付金・補助金・一時金のHPに飛びます
対象事業者
対象事業者ですが、対象業態と事業者規模の区分についてみていきたいと思います。
1.対象業態
道内全域の飲食店・カラオケ店・結婚式場になります。
今回の変更点は、結婚式場でも飲食店営業許可を受けていれば対象となる点です。
逆にカラオケ店は飲食店営業許可を受けていなくとも対象となります。
なお酒類提供に関しては従来どおり提供の有無に関わらず支援金の給付の対象になります。
2.事業者規模区分
こちらは特に特段の記載がないので、従来どおりと考えていいと思います。
ですので5日のブログと同じ内容をご参考までに以下に記載させて頂きます。
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中小企業法に基づき中小企業と大企業に区分されます。
中小企業か大企業かによって支援金の支給金額の算出方法が変わります。
中小企業と大企業の区分ですが、中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条における
中小企業者の基準に当てはまれば中小企業、当てはまらなければ大企業となります。
中小企業者とは、資本金・従業員数のいずれかが業種ごとに定められた基準以下となる事業主です。
基準については以下の表をご覧ください。
業種分類 | 資本金・従業員数の基準 |
---|---|
製造業その他 | 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人 |
卸売業 | 資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
小売業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人 |
サービス業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
ちなみに対象店舗が飲食店であれば小売業に該当しますので、資本金が5千万円以下または
従業員の数が50人以下の場合に中小企業者になります。
また対象店舗がカラオケ店であればサービス業に該当しますので、資本金が5千万円以下または
従業員の数が100人以下の場合に中小企業者になります。
なお中小企業には中小企業と個人事業主が含まれます。
給付額
次に支援金の給付額についてです。
まず支援金の給付額は一店舗あたりいくらといった定額ではありません。
中小企業は売上高方式、大企業は売上高減少額方式という算出方法が採用されています。
今回緊急事態宣言発令を受けて重要な変更点は、中小企業の売上高方式について、
1日当たり売上高にかける割合が「×0.3」から「×0.4」と変更されている点です。
それに伴い一日当たりの給付額の下限金額と上限金額も、下限4万円、上限10万円と、
それぞれ変更されています。
なお、大企業の売上高減少額方式については変更ありません。
以下は5日のブログに記載した計算式と計算例ですが、
上記の中小企業の売上高方式の変更点を修正していますのでご参照ください。
※なおまだ計算式等の詳細が本ブログ掲載日18日時点で公開されていませんので、
細かいところは筆者の想定で書かれています。あらかじめご了承ください。
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・中小企業/売上高方式
計算式:1日当たりの売上高×0.4
※給付額下限は4万円、上限は10万円
・大企業 /売上高減少額方式
計算式:1日当たりの売上高減少額×0.4
※給付額上限は20万円または「令和元年または令和2年の1日当たりの売上高×0.3」
なお「1日当たり売上高」とは「令和元年または令和2年の5月における一日単位平均売上高」です。
「1日当たりの売上高」の計算式は以下のとおりになります。なお5月ですので÷31日となります。
・令和元年または令和2年の5月の売上高の合計÷31日
また「1日当たりの売上高減少額」とは、「令和元年または令和2年の5月における
一日単位の平均売上高から、今年令和3年の実施期間における一日単位の平均売上高を
引いた金額」です。「1日当たりの売上高減少額」の計算式は以下のとおりになります。
31日は売上高方式と同様です。16日は今回の実施予定期間である16日から31日までの日数です。
・令和元年または令和2年の5月の売上高合計 ÷ 31日 − 令和3年の4月と5月の売上高合計 ÷ 16日
では実際に具体例で給付額を計算してみたいと思います。
なお計算で採用する年ですが、令和2年はすでにコロナによる影響を受けているでしょうから、
基本的には令和元年の売上高で計算することになるでしょう。
・売上高方式/例:令和元年の5月の売上高合計が620万円の場合
➀一日当たり売上高:620万円÷31=20万円
②給付額:20万円×0.4=8万円
※なお給付額の下限が4万円ですので、一日当たり売上高が10万以下の場合は一律4万円です
逆に上限は10万円ですので、一日当たり売上高が25万円以上の場合は一律10万円となります
次に売上高減少方式をみていきます。
・売上高減少方式
例:令和元年の5月の売上高合計が620万円、今回の実施予定期間の売上高合計が305万円の場合
➀一日当たり売上高減少額:620万円÷31日-160万円÷16日=10万円
②給付額:10万円×0.4=4万円
※給付額の最大20万円を考慮すると、売上高減少額が50万円以上の場合は一律20万円です。
また令和元年または令和2年の一日当たり売上高×0.3の上限を考慮すると、
上記の例ですと620万円÷31×0.3=6万円ですので最大6万円です。
基本的には前者の20万円の可能性はほぼないでしょうから、上限の算出は後者でいいでしょう。
なお以上は1店舗あたりの一日単位の給付額になりますので、
実際の支給額は下記で算出された金額×実施日数となります。
3店舗運営する中小企業で一日当たり平均売上高が20万円ですと、
8万円×3店舗×16日=384万円になります。
※16日は今回の実施予定期間である16日から31日までの日数です
以上、支援金の給付額の計算になります。
言葉で書くと上記のとおり複雑になりますが、内容はそれほど複雑ではありませんので、
一度皆様の実際の店舗売上で試算されてみるとよいかと思います。
交付要件
交付要件は「特定措置区域」・「それ以外の区域」において以下のとおりになります。
少し場合分けが複雑なので注意してみていきましょう。
1.特定措置区域
・食品衛生法に基づく飲食店営業または喫茶店営業の許可を得て営業(※1)
・上記営業許可を令和3年4月27日より前に取得(※1)
・上記営業許可の有効期限が令和3年5月11日以降(※1)
・店舗の営業の実態がある
・次の感染防止対策の実施と業種別ガイドラインの遵守
従業員の検査推奨、入場者の整理誘導、発熱等症状のある者の入場禁止、手指消毒設備の設置、
店舗の消毒、マスク着用等の感染防止措置の周知、正当な理由なく左記措置を講じない者の
入場禁止、施設の換気、アクリル板設置等飛沫防止対策措置の実施
・酒類またはカラオケ設備を提供する店舗:実施期間中の全面休業(※2)
・上記以外の飲食店舗:5時から20時までの時短営業(※3)
※1:カラオケ店においては要件不要
※2:従来の営業時間が20時を超える場合は20時までの時短営業と酒類・カラオケ設備の
提供をしないことで全面休業に代替することも可能
※3:従来の営業時間が20時までの場合は全面休業が交付要件
2.それ以外の区域
・食品衛生法に基づく飲食店営業または喫茶店営業の許可を得て営業(※)
・上記営業許可を令和3年4月27日より前に取得(※)
・上記営業許可の有効期限が令和3年5月11日以降(※)
・店舗の営業の実態がある
・従来より20時を超えて営業
・営業時間は5時から20時までの時短営業
・酒類提供は11時から19時までの時短提供
・次の感染防止対策の実施と業種別ガイドラインの遵守
従業員の検査推奨、入場者の整理誘導、発熱等症状のある者の入場禁止、手指消毒設備の設置、
店舗の消毒、マスク着用等の感染防止措置の周知、正当な理由なく左記措置を講じない者の
入場禁止、施設の換気、アクリル板設置等飛沫防止対策措置の実施
※:カラオケ店においては要件不要
それ以外の地域では従来の営業時間が20時までの店舗については、
休業等を含めて支援金の給付対象とならない点に注意が必要です。
なお、いずれも酒類提供の有無は交付要件とはされていません。
申請書類
申請書類については詳細は後日HPに掲載とされており、まだ公表されていませんので、
ご参考までに5日のブログの内容(札幌市の支援金です)を以下のとおり記載させて頂きます。
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1.申請書、誓約書
2.業種・業態が確認できるもの(例:ホームページ、外観内景が分かる写真など)
3.営業許可証のコピー
4.要請に協力したことがわかるもの(「時短営業の案内」の掲示版の写真など)
5.本人確認書類のコピー(法人は代表者のもの)
6.支援金振込先口座の銀行口座通帳のコピー
7.令和元年または令和2年の確定申告書などの書類のコピー
法人:法人税の確定申告書別表一の控え、法人事業概況説明書(月別売上高)の控えなど
個人:所得税の確定申告書第一表の控え、青色申告決算書(月別売上高)の控えなど
8.令和元年または令和2年の5月の売上高が分かる書類(売上台帳などのコピー)
9.令和3年度の売上高がわかる書類(売上台帳などのコピー)
※9.は売上高減少額方式を選択の場合のみ提出が必要
ちなみに法人の確認書類は登記事項証明書でよいかと思いますが、
法人の場合でも代表者の本人確認書類が必要とされている点が特徴ですね。
詳細は後日となる予定です。
また札幌市役所本庁舎1階パンフレットコーナーや各区役所でも取得できる予定です。
申請方法
こちらも詳細が公表されていませんが、従来の札幌市の支援金の申請と同じく
今回も郵送による受付が予定されています。
ご参考までに5日のブログの内容(札幌市の支援金です)を以下のとおり記載させて頂きます。
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申請方法は郵送申請のみとなっています。市役所への持参はご遠慮くださいとなっています。
郵送方法は、簡易書留・一般書留・レターパックプラスなど、郵便物の追跡ができる方法で、
配達時に受け取り確認がされるものが指定されています。
申請書類の郵送先は以下のとおりです。
・郵送先:〒060-8792 令和3年度 感染防止対策協力支援金 事務局 宛
申請手続
申請手続は以下のとおりですね。
1.申請書類を準備
2.申請書類を郵送して申請
申請受付
申請の受付は、HPでは実施期間終了後から開始する予定となっています。札幌市の場合には
従来の支援金と同様に考えれば、実施期限の翌日か翌々日ぐらいから受付を開始し、
それから約1か月後が期限となるかとと思われます。
今回のまとめ
以上、今回北海道内にて発令された緊急事態宣言に伴う支援金の概要についてお伝えしてきました。
今回のポイントは以下のとおりです。
- 今回の緊急事態宣言発令に伴なう支援金の実施期間は予定期間の5月16日~5月31日
- 札幌市の5月12日~15日の重点措置適用による支援金や他自治体の既存支援金とは区別される
- 今回は「特定措置区域」・「それ以外の区域」に分けられ、支給額や交付要件が異なる
- 「特定措置区域」は要請内容が厳格化されるとともに中小企業の売上高方式の支給額が増加
- 申請書類・申請手続・申請方法はほぼ従来の支援金を踏襲
今回は札幌市内では重点措置適用から数日での緊急事態宣言発令と、知事も会見で謝罪したように、
支援金の申請も複雑化してしまった印象は否めません。また北海道庁・札幌市のHPは
内容が少し分かりづらく、はじめて支援金を申請される事業者様は苦労される方も多いと思います。
当事務所でも各種支援金、協力金の申請サポートをしています。事務所の所在は東京ですが、
現在全国の事業者様の支援を行なっています。申請手続に悩まれている事業者の方は、
お気軽に問い合わせフォームよりお問い合わせください。
今後も給付金・助成金などを中心に、コロナ禍において事業者の皆様のお役に立つ情報を
お伝えしていきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。