【千葉県・感染拡大防止協力金の概要】第7弾が5月28日から受付開始/第1弾から第5弾までの申請締切が5/31と迫っています
19日に千葉県の感染拡大防止協力金(以下「協力金」)第7弾について、
5月28日からの受付開始が発表されました。
同時に、申請が再受付されている第1弾・第2弾を含め、第1弾から第5弾までの協力金について、
申請期間の締切日である5月31日があと約1週間後に迫っています。
再受付はないかと思われますので、申請がまだの事業者様はぜひ期間内に申請頂ければと思います。
今回は千葉県の協力金の最新第7弾について以下のとおり概要をお伝えしておきます。
- 正式名称・実施回数
- 対象地域
- 実施期間
- 対象事業者
- 支給額
- 交付要件
- 申請書類
- 申請方法
- 申請手続
- 申請期限
正式名称・実施回数
協力金の正式名称は「千葉県感染拡大防止対策協力金」です。
現在5月23日時点では、第1弾から今回28日より申請受付開始される第7弾まで、
7回実施されています。
今回の第7弾は千葉県の4月20日のまん延防止等重点措置(以下「重点措置」)適用を受けて、
4月20日から5月11日までを実施期間とするものです。
対象地域
次に対象地域についてです。
対象地域についてお伝えする前に、基本的な部分のお話にはなりますが、
緊急事態宣言は発令された都道府県全域が対象区域となるのに対し、
重点措置では都道府県全域が対象区域となるのではなく、知事がまん延防止等重点措置を
講じるべき区域(以下「重点措置区域」)を指定します。
まさに地域と期限を決めて「重点的に措置する」ものです。
そのため協力金においても県全域の事業者が対象ですが、内容は一律ではなく、
重点措置区域とそれ以外の区域(以下「その他区域」)で要請内容や交付額が異なっているので
ご自身の営業店舗がどちらの区域になるかにご注意ください。
なお重点措置区域として指定された区域については、当初適用の4月20日から28日までは
市川市、船橋市、松戸市、柏市、浦安市の5市でしたが、
28日より新たに千葉市、野田市、習志野市、流山市、八千代市、我孫子市、鎌ケ谷市の7市が
追加され、現在は12市が重点措置区域となっています。
ですので本ブログでも重点措置区域とその他区域により内容が異なる場合には、
重点措置区域とその他区域に分けてお伝えしていきたいと思います。
実施期間
実施期間は以下の期間になります。
・実施期間:4月20日から5月11日まで
ただし細かくは、当初5市が指定された➀4月20日から27日までと、新たに7市が追加された
②4月28日から5月11日までの2つの期間に分けられ、新たに追加された7市は前者と後者の期間で
要請内容や支給額などが異なるので注意が必要です。
また重点措置区域においては、4月28日からの実施分について、5月1日から実施した場合でも
その実施日数分支給金額は少なくなりますが、申請対象とはなります。
またその他区域においても、4月20日からの実施分について、28日から実施した場合でも
その実施日数分支給金額は少なくなりますが、申請対象とはなります。
対象事業者
対象事業者ですが、対象業態と事業者規模の区分についてみていきたいと思います。
1.対象業態
飲食店、喫茶店、その他遊興施設等で、食品衛生法の飲食店営業許可を受けている
店舗が対象となります。カラオケ店なども実施要綱を見る限り対象となるようです。
2.事業者規模区分
中小企業法に基づき中小企業と大企業に区分されます。
中小企業か大企業かによって支援金の支給金額の算出方法が変わります。
中小企業と大企業の区分ですが、中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条における
中小企業者の基準に当てはまれば中小企業、当てはまらなければ大企業となります。
中小企業者とは、資本金・従業員数のいずれかが業種ごとに定められた基準以下となる事業主です。
基準については以下の表をご覧ください。
業種分類 | 資本金・従業員数の基準 |
---|---|
製造業その他 | 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人 |
卸売業 | 資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
小売業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人 |
サービス業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
飲食店は小売業に該当しますので、資本金が5千万円以下または
従業員の数が50人以下の場合に中小企業者になります。
カラオケ店はサービス業に該当しますので、資本金が5千万円以下または
従業員の数が100人以下の場合に中小企業者になります。
なお中小企業には中小企業と個人事業主が含まれます。
支給額
次に支給額についてです。
まず注意したいのが、支給額の金額について、従来は「時短実施日数×4万円または6万円」という
固定金額型だったのが、今回の第7弾から計算式算出型に変更されたことです。
上記の対象事業者の区分で中小企業に該当する企業・個人事業主は原則売上高方式、
大企業に該当する企業は売上高減少方式を採用することになります。
また冒頭でお伝えしましたとおり、重点措置区域とその他区域でも金額は異なってきます。
千葉県のHPではやや複雑な場合分けがされていますが、簡潔に申しますと、
1日当たりの売上高にかける倍率と給付額の上限下限が異なっている、ということです。
ですので事業者様ご自身の営業店舗の地域が重点措置区域その他区域だった期間に基づき、
それぞれ計算式を当てはめて頂ければ問題ありません。
では以下具体的な協力金の支給額の計算式について記載します。
1.中小企業/売上高方式
①重点措置区域の場合
計算式:1日当たりの売上高×0.4(千円未満切り上げ)※給付額下限は4万円、上限は10万円
②その他区域の場合
計算式:1日当たりの売上高×0.3(千円未満切り上げ)※給付額下限は2.5万円、上限は7.5万円
2.大企業 /売上高減少額方式
①重点措置区域の場合
計算式:1日当たりの売上高減少額×0.4
※給付額上限は20万円
②その他区域の場合
計算式:1日当たりの売上高減少額×0.4
※給付額上限は20万円または「令和元年または令和2年の1日当たりの売上高×0.3」
なお「1日当たりの売上高」とは、「令和元年または令和2年いずれかの4月・5月における
一日単位の平均売上高」です。「1日当たりの売上高」の計算式は以下のとおりになります。
61は4月と5月が合計で61日となるということです。
・令和元年または令和2年の4月と5月の売上高の合計÷61
また「1日当たりの売上高減少額」とは、「令和元年または令和2年の4月・5月における
一日単位の平均売上高から、今年令和3年の4月・5月における一日単位の平均売上高を
引いた金額」です。「1日当たりの売上高減少額」の計算式は以下のとおりになります。
61については売上高方式と同様です。
・令和元年または令和2年の4月と5月の売上高合計 ÷ 61− 令和3年の4月と5月の売上高合計 ÷ 61
式を簡略化すれば以下のとおりになりますね。
・(令和元年または令和2年の4月と5月の売上高合計 − 令和3年の4月と5月の売上高合計)÷ 61
では実際に重点措置区域の場合で具体例で給付額を計算してみたいと思います。
なお計算で採用する年ですが、令和2年はすでにコロナによる影響を受けているでしょうから、
基本的には令和元年の売上高で計算することになるでしょう。
・売上高方式/例:令和元年の4月・5月の売上高合計が1,220万円の場合
➀一日当たり売上高:1,220万円÷61=20万円
②給付額 :20万円×0.4=8万円
なお給付額の下限が4万円ですので、一日当たり売上高が約10万円以下の場合は一律4万円です
逆に上限は10万円ですので、一日当たり売上高が25万円以上の場合は一律10万円となります
次に売上高減少方式をみていきます。
・売上高減少方式/
例:令和元年の4月・5月の売上高合計が1,220万円、
令和3年の4月・5月の売上高合計が305万円の場合
➀一日当たり売上高減少額:(1,220万円-305万円)÷61=15万円
②給付額:15万円×0.4=6万円
なお給付額の上限が20万円ですので、売上高減少額が50万円以上の場合は一律20万円です
ただしその他区域については令和元年または令和2年の1日当たりの売上高×0.3という上限規定も
ありますので、令和元年または令和2年1日当たりの売上高が60万円以下ですと上記の上限規定を
適用することになります。
以上が売上高方式と売上高減少方式の支給額算出の説明となります。
また上記は1店舗あたりの一日単位の給付額になりますので、
実際の支給額は下記で算出された金額×実施日数となります。
例えば3店舗運営する中小企業で一日当たり平均売上高が20万円ですと、
8万円×3店舗×22日=528万円になります。
※15日は現在の実施期間4月20日から5月11日までの日数です
以上協力金の支給額の計算になります。言葉で書くと複雑にはなりますが、
実際に計算してみるとそれほど複雑ではありませんので、
一度皆様の実際の店舗売上で試算されてみられてもよいかと思います。
交付要件
時短要件については重点措置区域・その他区域で従前と実施後の営業時間が異なっています。
また酒類提供については重点措置区域でも4月27日までと4月28日以降で要請内容が異なっており、
対象区域と期間に応じた複雑な場合分けとなっているので注意が必要です。
また実施期間についても全期間実施が原則ですが、若干の特例が認められています。
では具体的な協力金の交付要件は以下のとおりになります。
・食品衛生法に基づく飲食店営業または喫茶店営業の許可を令和3年4月20日より前に取得
・上記営業許可の有効期限が令和3年5月11日以降
・要請対象となる全期間において、県が要請する感染防止対策を実施すること
※主な具体的な感染防止対策は以下のとおり
カラオケ設備使用の自粛、徹底的な換気の実施、座席間隔の一定距離または飛沫防止
アクリル板の設置、手指消毒用消毒液の用意と実施の周知、マスク着用・体調不良者の
入店禁止の掲示、従業員の検査の奨励、入場者の整理・誘導の実施、事業所の消毒、
店内のBGM音量の最小化、その他業種別ガイドライン等に基づく感染防止策の徹底
・以下のとおり実施期間中の全期間において営業時間の時短要請に応じること
重点措置区域:従前20時を超える営業時間→実施期間中は20時までの営業時間とする
その他区域 :従前21時を超える営業時間→実施期間中は21時までの営業時間とする
※ただし重点措置区域・その他区域で以下のとおり実施期間の特例あり
重点措置区域:4月28日から実施分については5月1日から実施でも実施日数分を支給
その他区域:4月20日から実施分について4月28日から実施でも実施日数分を支給
・以下のとおり酒類提供の時短要請および提供停止要請に応じること
重点措置区域:①4月20日から4月27日まで:11時から19時までの提供に短縮
②4月28日から5月11日まで:終日提供停止
その他区域 :11時から 20 時までの提供に短縮
・事業内容が公の秩序若しくは善良の風俗を害することとなるおそれがないこと
・事業を営むに当たって関連する法令及び条例等を遵守していること
・暴力団排除に関する規定の遵守と本件につき千葉県警察本部への照会についての事前の承諾
申請書類
申請書類については、以下のとおりとなります。
1.協力金(第7弾)申請書兼実施報告書
2.支給金額算定シート
3.誓約書 ※所在地、名称、代表者名の欄は自署を要す
4.飲食店営業許可証・喫茶店営業許可証のコピー
5.直近の売上台帳等のコピー ※協力金第6弾申請者は重複するので原則不要
6.営業時間短縮休業状況と従前営業時間の確認書類 ※HP・ポスター等(店舗名称明記のもの)
7.酒類を提供していた場合は提供時間と提供停止が確認できる書類
8.感染拡大防止対策を実施していたことが確認できる書類
9.協力金振込先口座確認書類 ※通帳等のコピー ※第6弾申請者は重複するので原則不要
10.本人確認書類 ※第6弾申請者は重複するので原則不要
個人事業主:事業主の運転免許証等のコピー
法人 :役員名簿
11.前年または前々年の確定申告書類の控えのコピー
個人事業主:別表第一+青色申告決算書または収支内訳書
法人 :別表第一+法人事業概況説明書
12.前年または前々年 4・5月の売上台帳等のコピー ※11.の書類で確認できれば不要
13. 飲食店事業売上高報告書 ※11.の書類で確認できれば不要
14.令和3年4・5月の売上台帳等のコピー ※売上高減少方式で算定する場合
なお申請書類はオンラインと窓口いずれの方法でも取得できます。
それぞれの取得方法は以下のとおりです。
1.オンラインによる入手
以下のポータルサイトから入手できます。
https://chiba-kyouryokukin.com/
2.窓口での入手
以下の窓口で配布しています。
① 県庁(本庁舎 14 階)
② 県税事務所(船橋・松戸・柏)
③ 地域振興事務所(葛南・東葛)
④ まん延防止等重点措置区域に所在する市役所(県内5箇所)
⑤ まん延防止等重点措置区域に所在する商工会・商工会議所(県内6箇所)
申請方法
以下のとおりオンライン申請か郵送申請の2とおりとなります。
窓口に持参による申請受付はありません。
1.オンライン申請
申請先 :https://chiba-kyouryokukin.com/
申請期限:令和3年7月14日(水曜)23時59分までの送信完了
2.郵送申請
郵送先:調整中。5月27日を目途に公開予定
申請期限:令和3年7月14日(水曜)の消印有効
なおご参考までに協力金第6弾の郵送先を下記に記載します。
〒277-0852 千葉県柏市旭町1丁目12番2号 エレル柏ビル5F
千葉県感染拡大防止対策協力金(第6弾)事務局 宛て
申請手続
申請手続は基本的に従来の協力金の申請手続と同じです。
1.申請書類をHPまたは窓口で取得
2.必要な書類を準備・記入
3. 協力金HPよりオンライン申請か郵送にて申請
申請期間
令和3年5月28日(金曜)から令和3年7月14日(水曜)までとなります。
今回のまとめ
以上、千葉県の第7弾協力金の概要についてお伝えしてきました。
今回のポイントは以下のとおりです。
- 実施期間は4月20日~5月11日
- 重点措置区域とその他区域で時短要請内容が異なる
- 重点措置区域でも4月27日までと28日以降で酒類提供制限が異なり注意が必要
- 支給額は今回から売上高方式と売上高減少額方式で算出と複雑化
- 申請書類・申請手続・申請方法はほぼ従来の協力金を踏襲
- 申請書類は今回より売上高や売上高減少額の疎明資料が必要
協力金、都度受給すればトータルではかなりの受給額になると思います。
特に千葉県は他の自治体より支給額が多く設定されていると感じます。
また冒頭でお伝えしましたととおり、第1弾から第5弾までの申請期間が5月31日までと、
締切まで約1週間と迫ってきています。協力要請に応じている店舗様には当然の権利ですので
申請がまだの事業者様についてはぜひ全て申請して受給して頂きたいと思います。
ただ緊急事態宣言や重点措置の発令とその内容の変更などが交付額や交付要件に影響が及ぶので
注意が必要です。まずは、新たに時短要請が発令されたり、時短要請の内容が変更されたら、
協力金の申請にも影響がある、と覚えておくといいかもしれません。
また今回から交付額も計算方式が複雑になりました。売上高や売上高減少額の把握については、
すでに持続化給付金や一時支援金の申請をされた事業者様ならさほど問題ないかと思いますが、
計算方式も複雑になりましたので、やはり当惑される事業者様もいらっしゃると思います。
当事務所でも各種支援金、協力金の申請サポートをしています。悩んでいらっしゃる事業者の方が
いらっしゃいましたら、お気軽に問い合わせフォームよりお問い合わせください。
今後も給付金・助成金などを中心に、コロナ禍において事業者の皆様のお役に立つ情報を
お伝えしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。