【月次支援金】申請の際のチェックポイント!

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月次支援金の申請受付開始から1カ月が経ちました。
また4月分・5月分の月次支援金は8月15日の申請期限まで1か月を切りました。

当事務所でもすでに多数の月次支援金の事前確認と申請サポートを受け付けていますが
事前確認と申請の際に気を付けたいポイントもだいぶ分かってきました。

今回は以下の特に気を付けたいポイントについて解説したいと思います。

  • 法人の確定申告書は別表第一と法人概況説明書の表面と裏面が必要
  • 売上台帳の売上金額は法人事業概況説明書の月別売上高を基準とする
  • 売上がない月でも”売上なし”として台帳を作成する
  • 通帳は2019年1月から現在までの取引が記載された口座の通帳が必要
  • 事前確認でチェックする2月はそれぞれの月内の取引の全ての請求書または領収書が必要
  • 売上台帳の売上金額は法人事業概況説明書の月別売上を基準とする
  • 売上がない月でも”売上なし”として台帳を作成する
  • 給付対象区分のX・Y・Z区分の判断は慎重に
  • 事業内容は自身の事業がX・Y・Zのどの区分かを意識して書く
  • 売上の入力金額の単位は千円単位ではなく円単位
  • 売上がマイナスの月は売上を便宜”0円”として入力する
  • BtoC(個人対象商売)事業者は仕入先の詳細情報が必要

申請書類の準備の際のチェックポイント

まずは申請書類を準備する際のチェックポイントからまいりたいと思います。

  • e-taxによる電子申告の場合は紙申請の税務署の収受印の代わりとして確定申告の受信通知を用意する

    月次支援金の申請の際に紙申請で確定申告している会社は別表第一に押されている税務署の収受印が必要です。
    ではe-taxによる電子申告の場合はどうすればよいでしょうか。

    e-taxによる電子申告の場合は税務署の収受印の代わりに確定申告を受理した旨が記載された受信通知を用意します。
    受信通知とはe-taxによる電子申告をした際にe-taxの自身のアカウントの受信箱に入ってくる受信メールのことです。

    ただ取得する際は以下の全てが必要になりますし手続もかなり複雑なので注意が必要です。

     ➀マイナンバーカード
     ②e-taxのID・パスワード
     ③マイナンバーの電子証明書の読み取り用のカードリーダーかフェリカなどの接触型読取機能が附属したスマートフォン
     ④マイナンバーの電子証明書のID・パスワード

    顧問税理士が電子申告している場合は顧問税理士に受信通知を送ってくれるよう頼みましょう。

    また以下に受信通知のイメージを貼付しますのでご参照ください。
  • 法人の確定申告書は別表第一と法人事業概況説明書の表面と裏面が必要

    まず法人の確定申告書として用意するのは法人税に係る確定申告書になります。

    まず法人事業概況説明書の表面は「法人事業概況説明書」とタイトルが付いているページです。
    大抵確定申告書の別表第一と同じくカラー刷のページになっているので分かりやすいと思います。

    次に法人事業概況説明書の裏面は表面と違い白黒だったりするので分かりづらいかもしれません。
    ただ表面の次ページにあるのと「18 月別の売上高等の状況」として各月別の売上高が記載されています。

    以下に確定申告書別表第一と法人事業概況説明書の表面・裏面のイメージを貼付します。
    ご参照ください。
  • 売上台帳の売上金額は法人事業概況説明書の月別売上高を基準とする

    何らかの理由で月次支援金のために売上台帳を自身で作成される際は上記に注意して頂きたいと思います。

    会社の売上を帳簿に計上する際は実際にお金が入った時に計上する「入金主義」と、
    取引成立時などで売上を計上する「発生主義」があります。

    会社が「発生主義」で売上を計上している場合に売上台帳を取引口座の通帳の日付と金額をもとに作成すると
    上記の法人事業概況説明書裏面の「18 月別売上高等の状況」と金額がズレてしまいます。
    そのまま申請しますと不備となる可能性が高いので、確定申告書の数字をもとに売上台帳を作成してください。

  • 売上がない月でも”売上なし”として台帳を作成する

    持続化給付金などと同じルールですが、売上がない月があってもそれを説明しないと月次支援金の事務局の方では
    売上がないのか、売上があるけど添付していないのかが判断できません。

    ですので売上がない月でも取引内容などに「売上なし」と記載して、金額を「0円」で台帳を準備しましょう。

  • 通帳は2019年1月から現在までの取引が記載された口座の通帳が必要

    持続化給付金などの場合には準備する通帳は給付金などの振込先の確認用として必要になります。

    しかし月次支援金は事業実態を調査するために2019年1月から月次支援金給付対象月までの取引を確認します。

    なので月次支援金の際は振込先口座の通帳だけでなく、会社の取引が記録された口座の通帳が必要になります。
    また2019年1月から取引を確認するので通帳を繰越している場合は過去の通帳の準備も必要です。

  • 事前確認でチェックする2月はそれぞれの月内の取引の全ての領収書または請求書が必要

    上記のとおり月次支援金では事業実態を調査するために2019年1月から月次支援金給付対象月までの取引を確認します。
    その調査の方法として、通帳、領収書または請求書、売上台帳の3つの記録が取引として一致するかを確認します。

    なので売上台帳と取引口座の通帳のほかに取引の証拠として領収書または請求書が必要となります。

    ただこれを2019年1月から給付対象月までの全てで行なうと膨大な書類と時間がかかるおそれがあります。
    なので月次支援金では上記取引の詳細な調査は登録確認機関が任意に選んだ2か月のみで足りるとしています。

    よって売上台帳の作成と取引口座の通帳は2019年1月から全ての月で必要ですが、領収書または請求書については、
    事前確認の際は登録確認機関が任意に選んだ2カ月のみの用意で足ります。

事前確認・申請の際のチェックポイント

次に事前確認・申請の際のチェックポイントです。

  • 給付対象区分のX・Y・Z区分について慎重に判断する

    申請の際は自身の会社がX・Y・Zのどの区分に該当するか判断が必要です。

    いずれも給付要件の緊急事態措置又はまん延防止等重点措置の影響を受けていることが必要ですが、
    どのように影響を受けているかで以下のとおりX・Y・Zの3区分に分けています。

    X区分:対象措置の影響を受けた飲食店と反復継続した直接・間接の取引がある会社(=時短要請先飲食店の取引先・関節取引先)
    Y区分:対象措置に伴う不要不急の外出・移動の自粛に直接的な影響を受けた会社
    Z区分:対象措置に伴う不要不急の外出・移動の自粛による間接的な影響(=Y区分の取引先)

    またこれらX・Y・Zの3区分からまた、自身の会社が対象措置区域内にあるかどうか、個人顧客と対面での取引か、
    自身の会社が外出自粛の影響を受けた地域にあるか、などで場合分けされます。

    注意したいのはこれらの区分により月次支援金給付から7年間保存する書類が若干異なることと、
    また選択区分と事業内容などが合致しないと不備の対象になるというところです。

    さらにこれらの区分をしっかりと読み込んだ結果、自社が月次支援金の対象に当てはまらない(※)という可能性もあるので
    自社がこちらの区分のどれに該当するかをしっかりと確認しましょう。

    ※コロナの影響で売上が下がったのは事実だが、自社も顧客・取引先も対象措置区域内になくどの区分に当てはまらない場合

  • 事業内容は自身の事業がX・Y・Zのどの区分かを意識して書く

    上記でも記載しましたが、影響区分とこちらの事業内容が相違すると申請不備となる可能性があります。
    事業内容の記載は奇をてらったり熱を入れて書くよりも記載例に従って以下の要件を意識して簡潔にまとめましょう。

    ・自社が給付要件を満たす業種かどうか
    ・自社が対象区域にあるかどうか
    ・取引先または個人顧客が対象区域内かどうか
    ・自社の区域が対象区域の影響を受けた区域かどうか

  • 売上の入力金額の単位は千円単位ではなく円単位

    申請における2019年1月からの月別売上高の入力ですが円単位での入力となっています。

    確定申告書などの金額の表記は通常千円単位ですので間違えないようにしましょう。

  • 売上がマイナスの月は売上を便宜”0円”として入力する

    取引において販売後に不良などがあり返品された自社商品について返金する場合があります。
    この場合に既に対象商品の売上を計上している場合はその売上も取り消さなければいけません。
    これが売上のマイナス計上です。

    さらに月を通じて新たに計上した売上より返金などによるマイナス計上分が大きければ
    その月の売上はマイナスになります。

    ただ月次支援金の申請システム上では「-」(マイナス)を入力できません。
    その場合は便宜売上を「0円」で入力してください、ということです。

  • BtoC(個人対象商売)事業者は仕入先の詳細情報が必要

    月次支援金の申請システムでは事業実態の確認として主要取引先2社の詳細情報を入力する必要があります。
    詳細な情報とは正式な商号や本店所在地、それに法人番号です。

    法人番号とは国税庁にて管理する各法人にふられた13桁の番号です。
    よく登記簿謄本記載の番号を書かれるお客様がいますが、こちらは12桁の会社法人等番号といいます。
    法人番号はこの会社法人等番号の冒頭にディジット番号という一桁の数字を加えた番号になります。

    法人番号を調べる一番簡単な方法は以下の国税庁の法人番号公表サイトで確認することです。
    商号または本店所在地を入力して法人番号を検索できます。

    https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/


    ただし正式な商号または本店所在地を入力しなければ法人番号を検索できません。
    また申請システムで入力した法人番号と登録されている商号・本店所在地が一致しないとエラーとなります。

    申請書類ではありませんが不安な場合はシステムに入力する取引先の履歴事項全部証明書(登記簿謄本)を
    事前に取得して商号・本店所在地などを確認しておくことをお勧めします。

今回のまとめ

月次支援金の事前確認・申請の際のチェックポイントについてお伝えしてきました。

今回のポイントは以下のとおりです。

  • 法人の確定申告書は別表第一と法人概況説明書の表面と裏面が必要
  • 売上台帳の売上金額は法人概況説明書の月別売上高を基準とする
  • 売上がない月でも”売上なし”として台帳を作成する
  • 通帳は2019年1月から現在までの取引が記載された口座の通帳が必要
  • 事前確認でチェックする2月はそれぞれの月内の取引の全ての請求書または領収書が必要
  • 売上台帳の売上金額は法人概況説明書の月別売上を基準とする
  • 売上がない月でも”売上なし”として台帳を作成する
  • 給付対象区分のX・Y・Z区分の判断は慎重に
  • 事業内容は自身の事業がX・Y・Zのどの区分かを意識して書く
  • 売上の入力金額の単位は千円単位ではなく円単位
  • 売上がマイナスの月は売上を便宜”0円”として入力する
  • BtoC(個人対象商売)事業者は仕入先の詳細情報が必要


月次支援金は持続化給付金などの不正受給を受けて事業実態について細かく記載を求められます。
その結果として申請が複雑になり過ぎて初めて申請すると必ず何らかの疑問点にぶつかります。

なかには事務局などに確認しないと分からない事項もあります。
上記のチェックポイントも多くが当事務所より事務局に確認した事項です。

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